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2012年1月の記事

いぶし銀

平成24年 元旦(日) 曇り 最高気温8.9 最低気温0.1

 

深夜零時を過ぎれば目の前に走る環状線も静かなもので何の気配も感じられない。数分前に除夜の鐘も鳴り終わりオマケ軍団はコタツから小さな頭だけを出し、やんわりくつろいでいる。めでたい日ではあるが昨日と見分けがつかないくらいよく似た感覚に、いまひとつ正月という実感がわいてこない。大人になるにつれ物事への新鮮味がなくなったというのもあるが、便利な世の中になるにしたがい情緒がなくなっているような気がする。昨日と違うのは年が変わったことと新聞がやけに分厚いというぐらいなものだ。そういえば「はなこ」も分厚くなった。女とは年を追うごとにそうなっていくものと聞いたことがある。

 

 

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1月9日(月)晴れのち曇り 最高気温6.6 最低気温0.3

 

家の裏にささやかな日当たりのいい小庭があり、夜になればそこから月が見える。今日は満月のはずだが空が曇って月影はない。ここに越して4度目の冬を迎え、ようやく安堵する家になったような感じがする。古い建物なので立て付けは非常に悪い。きしむドアもあれば全開にならない引き戸もある。気が向いた時に自己流で直しはするが、犬猫がつけた爪あとは残している。柱に刻まれた二本のキズは去年の夏に紋次郞が初めてつけたものだ。かがみこみ抱き上げた時に驚いて胸元から逃げようとした時に残されたものである。和室の障子戸に残された数本の線は「はなこ」が今のように上手に引き戸を開けられなかった時につけたものだ。決して爪研ぎとして壁や柱にキズをつけることはない。ざれごとでついたひとつひとつのキズは想い出の年輪としてボロ家にこれからも刻まるのだろう。そして気がついた頃には犬猫に飼われたじじぃになっているんだろうな。

 

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